ステンレス

ステンレス鋼(Stainless.Steel)のステンレスというのは、Stain(よごす、よごれる)に less をつけたもので,よごさせない、よごれない、という意味です。
鉄は、さびて、よごれるものという前提に対して、いつまでもよごれない(さびない)ということです。
昔は、不銹鋼(ふゆうこう)とも言っていました。銹は、さびです。ステンレス鋼は、鋼を略してしまってふつうは、ステンレスとだけ言っています。
ステンレス鋼の記号は、SUSです。Steel の S ,Special use の U ,Stainless の S からとったものです。
SUS は、俗にサスといっています。


組織

フェライト:   18クロムステンレス鋼
       体心立方格子のα鉄にほかの元素を固溶したもので炭素Cは、0.02%まで固溶します。
       フェライトは、やわらかく(HB90〜100)展延性もあり、引張強は、約30sです。


オーステナイト
18−8ステンレス鋼
       面心立方格子のγ鉄にほかの元素を固溶したもので、高温(炭素を含むと727℃以上)で存在する
       だけで、常温には、存在しません。炭素は、2.1%まで固溶します。18-8ステンレス鋼、高マンガン鋼
       は、常温でも安定して存在、やわらかく、ねばいものです。


マルテンサイト
13クロムステンレス鋼
       鋼と炭素をたくさん固溶しているオーステナイトが存在している温度から急冷すると、炭素を吐き
       出す時間がなくて結晶格子
       だけは、面心立方格子のγ鉄から、体心立方格子のα鉄に変わる(変態といいます)のですが、炭
       素を過飽和に固溶したままでいます。これがマルテンサイトです。
       マルテンサイトは、鋼の組織のなかで最も硬く(HB720)、もろいものです。鋼の焼き入れは、この操
       作をすることです。また、13クロムステンレス鋼は、自然のままでマルテンサイトになっています。


          それぞれクロム(Cr)の%ですが、18−8は、クロム18%に対してニッケル8%がはいったものです。
          炭素(C)は、ごく少なく、だいたい0.1%以下です。
          組織からみますと、13クロムは、マルテンサイト系、18クロムは、フェライト系、18−8はオーステナイト系であとほど
          さびにくいのです。
          強さからみると、マルテンサイト系が一番強くつぎにフェライト系、オーステナイト系が一番弱いのです。
          ただ、13クロム、18クロムは、磁石に付きますが、18−8は、つきません。



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